職員インタビュー[連載1] 第2話

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 第2話 「研修ローテーション『全モダリティを回る』価値」

―では、インタビューの本題に入っていきます。この春で技師3年目に入るわけですが、ここまで2年間を振り返って、いかがでしたか?まずはローテーションや教育システムについてお聞きしたいです。研修ローテーションはまだ回り終わってないですよね。

そうですね。今のアンギオで最後です。

自分は入職後、MRI→一般撮影→ポータブル→CTと研修を回ったところで1年目を終えて、夜勤にも入りました。2年目には放射線治療とRIの研修後、MRIや一般、CTの配置でした。そして今月、3年目の4月からアンギオ研修が始まったところです。

自分たちは同期が9人いるので、研修ローテーションを回るのに時間がかかりましたね。

―ああ、なるほど。ちなみに、どうですか。京大病院の教育は。

すごく良かったなと思いました。

もともと、京大病院に入りたいと思った理由として、研修ローテーションで全部のモダリティを必ず研修できる点が大きかったので。

―すごいシステムですよね。他の大学病院では、研修ローテーションで全モダリティ回れるなんて施設、あまり聞いたことがない。

そうですよね。それはすごくよかったです。

今、アンギオを担当していて思うんですよ。全モダリティ繋がっているなと。例えば、一般撮影で胸部写真、CTでは心臓CT、RIでは心筋シンチを撮る。その結果を踏まえてのアンギオ、みたいな繋がりがいっぱいあるので。だから今になって、各モダリティの重要性をあらためて感じたりします。ポータブルでは「心胸郭比ちゃんと見ているな」とか。あとは、心臓CTで3D作るときに、「ああ、こういう狭窄みているんだな」とか。そんな風に、別モダリティの検査結果がどう使われているかとかがわかるし、各モダリティで得た知識や経験が繋がってくるのが面白いですね。

放射線治療も面白いです。すごく繋がってくる。例えば頭部のSRT(定位放射線治療)をしますってなったら、治療計画を立てるんですけど、その治療計画で、もちろん治療計画用のCTも撮るし、MRIとその治療計画用のCTをフュージョンさせて、ここが病変だねとかもやりますし。そういうのを見ていると、「自分の撮った画像がこういう風に使われているんだな」とか、「こういう目的でMRIを撮っていたんだな」というのが実感できる。それで後でMRI担当に戻ったときに、「ここはちゃんと、断面を揃えないと」とか、「過去と同じように撮らないと見づらいな」とか、すごく小さいことですけど、そういうことを気にするようになりますね。

研修時に全モダリティを経験できたことは、自分の放射線技師としての成長に大きくつながっていると思います。

―京大病院の「まずはジェネラリストを目指す」教育方針が活きてきているわけですね。

そうですね。自分も就職する前には、京大の放射線部のホームページをよく見ていたんですけど、その中にあった図がすごく記憶に残っていて。

まずはジェネラリストで、その上にスペシャリストみたいな図。

何か本当にちゃんとその通りだなと思いました。本当にそうでしたね。

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―先輩方の指導はどんな感じですか?

先輩から受ける指導は、、、優しい!  

京大病院にはクリニカルコーチ制度があるんですけど、コーチの皆様がまず優しい。

あとは、コーチの人って、そのモダリティで特にすごい人というか、詳しい人が多かったので。なんかすごいなあって感じでした。

―クリニカルコーチはやってみたいなと思いますか?

ああ、それは思いますね。シンプルに教えるのが好きというか、楽しいなって思うので。

―誰みたいなコーチになりたいですか?

Aさんとかは、いいなって思いました。すごい気にしてくれてるなと思うことが、特に多くて。「今日分からない所なかった?」とか、すごく頻繁に声をかけてくれたし。研修期間が終わった後も、ちょいちょい声をかけてくれたりして。

あとは、当直ですごく忙しい時に手を差し伸べてくれたのは、神様かと思いました。

―素晴らしい環境で育ったということですね。

―そういえば、研修者向け勉強会みたいなのありましたよね?

あります。あれは、3年目の人が中心になって、研修中の人をメインのターゲットとして開いている勉強会です。例えば、MRIの原理を教えたりとか、アンギオ室にあるエコーについてなどなど。「エコーは日常業務で使わないから、実はあんまり分かってない」という研修者も多くて。そういう研修者あるあるを解消しようみたいな。そんなコンセプトの勉強会です。

―なるほど。日々の業務に直接活かせるような内容なんですかね?

そうですね。あとは、演者が若手というのが、すごくよくて。

本当にしょうもない質問でも聞きやすい。

―それは良いですね。どんな質問をするんですか?

本当に初歩の質問からしていますよ。MRIのこのボタンって何ですか?とか、そういうレベルの質問でも気兼ねなくできます。

―T2って水が白いんでしたっけ?水が黒いんでしたっけ?みたいな質問もできる?(笑)

いや、全然していいと思いますよ。(笑) それを主任とかには聞けないですけど。そんな内容の質問を、歳が近い人に聞く場所というか。しかも、教えてくれる発表の内容も、研修者向けの初歩的な話なので。

―その研修者向け勉強会には誰が出られるんですか?

5年目までのはずです。3年目が研修者向け勉強会のホストではあるけど、発表するのは5年目とか4年目も別にOKみたいな。まあ、基本3年目が発表する流れになっていますね、最近は。

―ちなみにこのテンポで行くと、インタビューに1時間かかりますけど、大丈夫ですか?

大丈夫ですよ。今日はそのつもりで来てるので(笑)

→→次では、彼が2年間どのような研究をしてきたのか、

「京大病院の若手技師がどのようにして研究を始めていくのか」ということについて知っていきたい。

(2025年12月頃公開予定)

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